フローティングスタティックルート
フローティングスタティックルート(Floating Static Route)とは、通常使用するダイナミックルーティングプロトコルの経路よりも大きなアドミニストレーティブディスタンス(AD)を明示的に設定したスタティックルートのことです。平常時はダイナミックルーティングプロトコルの経路が優先されて使用されず、何らかの理由でその経路が失われた場合にのみ、バックアップ経路として自動的に有効になります。
設定方法
ip routeコマンドの末尾にアドミニストレーティブディスタンスの値を明示的に指定すると、既定値(1)よりも大きな値を持つスタティックルートを設定できます。
Router(config)# ip route 192.168.2.0 255.255.255.0 10.1.2.2 200この例では、宛先ネットワーク192.168.2.0/24宛てのスタティックルートに対して、通常のスタティックルートの既定値(1)よりも大きい200というアドミニストレーティブディスタンスを明示的に指定しています。OSPF(既定AD: 110)など、通常使用するダイナミックルーティングプロトコルの経路が存在する間は、そちらの経路の方がADが小さく優先されるため、このフローティングスタティックルートはルーティングテーブルに採用されません。
用途
フローティングスタティックルートは、主にダイナミックルーティングプロトコルが稼働している回線の予備経路(バックアップリンク)として使用されます。プライマリ回線の障害を検知すると、ダイナミックルーティングプロトコルの経路がルーティングテーブルから消え、より大きなADを持つフローティングスタティックルートが自動的に有効になります。
アドミニストレーティブディスタンスの既定値や、経路情報源ごとの一覧はアドミニストレーティブディスタンス(AD)にまとめています。
参考
| RFC | タイトル | 概要 |
|---|---|---|
| RFC 1812 | Requirements for IP Version 4 Routers | IPv4ルータの要件を定義。経路選択の優先順位に相当する概念にも言及。 |