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IPv6 アドレス

目次

IPv6アドレスの表記方法

IPv6アドレスの実体は128ビットの2進数(0と1の並び)です。IPv4(32ビット)の4倍の長さがあり、2進数のまま書くと非常に長くなってしまいます。

そこで、128ビットを16ビットずつ8つのグループに分割し、それぞれを4桁の16進数に変換したうえで、コロン(:)で区切って表記します。

16bit:16bit:16bit:16bit:16bit:16bit:16bit:16bit
(4桁の16進数)×8グループ

例えば、2進数で表された128ビットのIPv6アドレスを16ビットずつ16進数に変換すると、次のような表記になります。

2001:0db8:0000:0000:0000:ff00:0042:8329

表記の省略ルール

IPv6アドレスは長く読みづらいため、次の2つのルールに従って短縮して表記できます。

  1. 各グループの先頭のゼロを省略できる0db8db8004242
  2. 連続する「0000」のグループは、アドレス中に1箇所に限り「::」に省略できる(2箇所以上で使うと元のアドレスが一意に復元できなくなるため禁止)

これらのルールを適用すると、先ほどの2001:0db8:0000:0000:0000:ff00:0042:8329は次のように短縮できます。

段階 表記
元の表記 2001:0db8:0000:0000:0000:ff00:0042:8329
先頭ゼロを省略 2001:db8:0:0:0:ff00:42:8329
連続するゼログループを::に省略 2001:db8::ff00:42:8329

IPv6アドレスの分類

IPv6アドレスは128ビットで表現され、用途や有効範囲(スコープ)によっていくつかの種類に分類されます。IPv4のようなクラス(A〜E)による区分は存在せず、先頭ビットパターン(プレフィックス)によってアドレスの種別が決定されます。グローバルユニキャストアドレス、ユニークローカルアドレス(プライベートアドレス相当)、ループバックアドレス、リンクローカルアドレス、マルチキャストアドレスなどが代表的な種別です。

アドレス空間の割り当て

IPv4のようなクラスフルな区分は存在しない。各アドレス種別はプレフィックス(先頭ビットパターン)によって識別される。
種別 プレフィックス 用途
グローバルユニキャストアドレス 2000::/3 インターネット上でルーティング可能なユニキャストアドレス。
ユニークローカルアドレス fc00::/7 組織内ネットワークなど、インターネットに直接接続しない環境向けのアドレス(プライベートアドレス相当)。
リンクローカルアドレス fe80::/10 同一リンク内でのみ有効なアドレス。
マルチキャストアドレス ff00::/8 1対多の通信に使用されるアドレス(IPv4のクラスDに相当)。
ループバックアドレス ::1/128 自ホスト自身を指すアドレス。
未指定アドレス ::/128 アドレスが未確定の状態を示す特殊アドレス。

グローバルアドレス(グローバルユニキャストアドレス)

インターネット上で一意性が保証され、そのままインターネットに向けて経路制御(ルーティング)が可能なアドレスです。2000::/3の範囲がIANAから地域インターネットレジストリ(RIR)を経てISPや組織に割り当てられ、上位64ビットのネットワークプレフィックスと下位64ビットのインターフェースIDから構成されるのが一般的です。

ユニークローカルアドレス(プライベートアドレス相当)

組織内のローカルネットワークなど、インターネットに直接接続しない環境での利用を目的として定義されたアドレスです。IPv4のプライベートアドレス(RFC 1918)に相当する位置づけで、インターネット上ではルーティングされません。

項目
プレフィックス fc00::/7
Local (L) ビット = 1(実運用範囲) fd00::/8
Local (L) ビット = 0(将来の定義用に予約) fc00::/8
グローバルID 40ビットのランダム値。組織間での重複を実用上回避できる。

ループバックアドレス

自ホスト自身を指すために予約されたアドレスです。ループバックアドレス宛てのパケットはネットワークインターフェースを経由せず、ホスト内部で処理されます。IPv4の127.0.0.0/8とは異なり、IPv6ではホスト単位で1アドレスのみが割り当てられます。

項目
アドレス ::1/128

リンクローカルアドレス

同一リンク(同一セグメント)内でのみ有効なアドレスです。IPv6対応インターフェースには必ず自動的に割り当てられ、近隣探索(Neighbor Discovery)やルータ探索など、リンク内の制御通信に使用されます。リンクローカルアドレス宛て・発のパケットはルータを越えて転送されません。

項目
プレフィックス fe80::/10
実運用範囲 fe80::/64(下位64ビットにインターフェースIDを使用)

マルチキャストアドレス

1対多の通信に使用されるアドレスで、IPv4のクラスDに相当します。IPv4のブロードキャストに代わる仕組みとしても用いられ、フィールド内にフラグとスコープを持つ点が特徴です。

項目
プレフィックス ff00::/8
代表例:全ノードマルチキャスト(リンクローカル) ff02::1
代表例:全ルータマルチキャスト(リンクローカル) ff02::2

未指定アドレス

アドレスがまだ確定していないことを示す特殊なアドレスです。重複アドレス検出(DAD: Duplicate Address Detection)の過程など、送信元アドレスを一時的に持たない通信で使用され、パケットの宛先として使用することはできません。

項目
アドレス ::/128

関連RFC

RFC タイトル 概要
RFC 4291 IP Version 6 Addressing Architecture IPv6アドレッシングの原典。グローバルユニキャスト、リンクローカル、ループバック、未指定、マルチキャストの各アドレス種別を定義。
RFC 4193 Unique Local IPv6 Unicast Addresses fc00::/7をユニークローカルアドレス(プライベートアドレス相当)として定義。
RFC 4007 IPv6 Scoped Address Architecture リンクローカルアドレスなど、スコープを持つアドレスのゾーン概念を定義。
RFC 3587 IPv6 Global Unicast Address Format グローバルユニキャストアドレスのフォーマット(ネットワークプレフィックスとインターフェースID)を定義。
RFC 6890 Special-Purpose IP Address Registries IPv4/IPv6双方における特殊用途アドレスのレジストリを規定。

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