バッファロー WSR-5400AX6S の有線接続時のスループット性能をCisco TRexにて測定を実施しました。
基本性能などは下記にて紹介しています。
IPv4ネイティブルーティングおよびPPPoE(IPv4)、DS-Liteで1Gbps双方向(2Gbps) 64byteでもほぼワイヤースピードが出ました。バッファロールータにはプレミアムモデルとの記載がありますが、その名前にふさわしい結果となっています。家庭向けルータはショートパケットの速度が出ない結果が出ると思って試験しましたがワイヤースピードが出ました。
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測定機器環境
- 測定ルータ BUFFALO WSR-5400AX6S Ver 1.01(R11.42/B 1.00)
- PPPoEサーバー/ DS-Lite AFTR Cisco ASR1002 IOS-EX 15.5(3)S6
- Cisco TRex ( Intel(R) Xeon(R) CPU E3-1220 / Mem 16GB / NIC Intel 350-T4 )
有線接続のスループット性能
測定測定方法は1Gbps双方向(合計2Gbps)にトラフィックを印可してレートが安定した状態の2ポートの受信レート(bps/pps)の合計を記載しています。※RFC2544ほど厳密に測定していません
ルータモード(手動設定 IPアドレス) IPv4性能測定
ルータの設定および構成図
ルータを初期化を実施して、背面スイッチをAUTOからMANUALに変更してから下記に設定を実施して試験を実施しました。
手動設定でIPアドレスを 10.0.0.100/24 を設定してデフォルトゲートウェイにて 10.0.0.1 を設定
今回はステートレスのUDPを利用してスループットを測定するため、今回のルータモードではNATされているのでinternet側からのトラフィックLAN側に通すためにポート変換を実施して、すべてのトラフィックを192.168.11.200に変換する設定にしました。
測定トラフィック
ポート番号 | 送信元IP | 宛先IP | 送信元UDPポート | 宛先UDPポート |
---|---|---|---|---|
Port0 | 10.0.0.1 | 10.0.0.100 | 1025 | 1025 |
Port1 | 192.168.11.200 | 10.0.0.1 | 1025 | 1025 |
パケットのサイズを64から1518の間のいくつか設定して測定
測定結果
測定結果が下記になりますが、フレームサイズが64Byteの1Gbps双方向2Gbpsにてロスなしの結果となり、ワイヤーレートが出ていました。
64 | 128 | 256 | 512 | 1024 | 1280 | 1518 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
bps | 1,999 Mbps | 1999 Mbps | 1999 Mbps | 1999 Mbps | 1999 Mbps | 1999 Mbps | 1999 Mbps |
Packets/sec | 2.98 Mpps | 1689 Kpps | 905.7 Kpps | 469.88 Kpps | 239.4 Kpps | 192.28 Kpps | 162.54 Kpps |
ルータモード PPPoE IPv4性能測定
ルータの設定および構成図
ルータの設定のInternetをPPPoEクライントに設定変更
InternetのIPアドレス取得方法 「PPPoEクライント機能を使用する」を選択します。
Internet PPPoE の PPPoEに新規に ID test@kazuhack.com / Pass test を追加します。
MTU 1454 / MRU 1454 は初期値のままに設定します。CiscoのASRも MTU 1454で設定しました(フレッツのPPPoEに仕様に合わせます)
今回はステートレスのUDPを利用してスループットを測定するため、今回のルータモードではNATされているのでinternet側からのトラフィックLAN側に通すためにポート変換を実施して、すべてのトラフィックを192.168.11.200に変換する設定にしました。
CiscoのASR1002にPPPoE Serverを設定してWSR-5400AX6SのPPPoEを終端しています。クライアントには10.0.0.1が割り当てるように設定。
測定トラフィック
ポート番号 | 送信元IP | 宛先IP | 送信元UDPポート | 宛先UDPポート |
---|---|---|---|---|
Port0 | 10.2.0.100 | 10.0.0.100 | 1025 | 1025 |
Port1 | 192.168.11.200 | 10.2.0.100 | 1025 | 1025 |
測定結果
PPPoEを利用しているため、フラグメント前の最大値は1472Byteとなります。1518で送信するとフラグメンテーションが発生してpktが分割するため中継性能大幅に低下します。
64 | 128 | 256 | 512 | 1024 | 1280 | 1472 | 1518 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
bps | 1826 Mbps | 1897 Mbps | 1934 Mbps | 1970 Mbps | 1984 Mbps | 1987 Mbps | 1989 Mbps | ※ |
Packets/sec | 2.72 Mpps | 1602 Kpps | 880.2 Kpps | 462.96 Kpps | 237.64 Kpps | 192.12 Kpps | 164.66 Kpps | ※ |
※1518Byte1Gbps双方向を入れるとルータの応答がなくなり、(pingも応答しなくなる、webからの管理画面がログインできなくなる)、しばらくトラフィックを印可し続けるとPPPoEセッションのDownが発生。
PPPoE(IPv4) = 1Gbpsインターフェイスの 64byteのワイヤースペード 1,388,889 Paclet/sec ( 1,000,000,000 (1Gbps) / 720bit = 90byte * 8 ( 70byte ( 64byte [ 14(Ether) + 6(PPPoE) + 20(IPv4 Header) + 26(Payload) + 4(FCS) ] ) + 8byte (プリアンブル) + 12 byte(IFG) ) ) = 1,388,889 )
ルータモード DS-Lite IPv4性能測定
ルータの設定および構成図
DS-LiteのAFTRにCiscoのASR1002を利用してDS-Liteの性能測定を実施しました。Ciscoとの接続はIPv6 RAにて接続するためブロードバンドルータ側はNDプロキシで接続しています。ASR1002にAFTRの終端用アドレスとしてloopbackアドレスを設定します。私が稼働しているASR1002のIOS-XEではDS-LiteのAFTRの機能はサポートしていませんでした(Cisco IOS-XRがサポートしているようです。)パケットはTunnelのIPinIPトンネリング IPv4 Over IPv6のフォーマットと同じになるように Tunnel mode ipv6 にてIPv4を送る形にしました。
※DS-LiteはNATはAFTR側で実施するので、ポート変換の設定は実施していません。
測定トラフィック
ポート番号 | 送信元IP | 宛先IP | 送信元UDPポート | 宛先UDPポート |
---|---|---|---|---|
Port0 | 10.2.0.100 | 192.168.11.200 | 1025 | 1025 |
Port1 | 192.168.11.200 | 10.2.0.100 | 1025 | 1025 |
測定結果
原因がよくわからないのですが、WAN→LAN 1478 LAN→WAN 1470 を超えるとフラグメンテーションが発生しました。IPinIPのフォーマットの形式だと1478になるのですが、1470でLAN→WAN向けにてフラグメンテーションが発生しました。(私が何か勘違いしている?)
64 byte | 128 byte | 256 byte | 512byte | 1024 byte | 1280 byte | 1470 byte | 1518 byte | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
bps | 1354 Mbps | 1574 Mbps | 1746 Mbps | 1860 Mbps | 1926 Mbps | 1940 Mbps | 1946 Mbps | 295 Mbps |
Packets/sec | 2015 Kpps | 1328 Kpps | 791.14 Kpps | 437.06 Kpps | 230.62 Kpps | 186.56 Kpps | 245.1 Kpps | 24.3 Kpps |
IPv4overIPv6(IPinIP) = 1Gbpsインターフェイスの 64byteのワイヤースペード 1,008,065 Paclet/sec ( 1,000,000,000 (1Gbps) / 992bit = 124byte * 8 ( 104byte ( 64byte [ 14(Ether) + 20(IPv4 Header) + 26(Payload) + 4(FCS) ] + 40(IPv6 Header) ) + 8byte (プリアンブル) + 12 byte(IFG) ) ) = 1,008,065 )